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2006年05月02日

◆「葵祭」、下鴨神社と上賀茂神社の謎(ニ)

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◆「葵祭」、下鴨神社と上賀茂神社の謎(ニ)

◆◇◆葵祭(賀茂祭)、下鴨神社と上賀茂神社の謎(ニ)

(2)、賀茂別雷命(かもわけいかづち)とは、どういう由来の神様なのだろうか? 賀茂氏とどういう関係なのだろうか?

※下鴨神社の伝説では、賀茂建角身命(かもたけつぬのみこと)と伊可古夜日女(いかこやひめ)には玉依日子と玉依日売(玉依比売命・たまよりひめ)という御子がいたが、ある日、玉依日売(玉依比売命)が瀬見の小川(賀茂川)で丹塗りの矢を拾って床の上に置くと、男の子が生まれる。その子が賀茂別雷命(かもわけいかづち)で上賀茂神社の御祭神として祀られるわけである。

(3)、下鴨神社の御祭神(東殿)の玉依日売(玉依比売命・玉依日女)は、神武天皇の母の玉依姫とどう関係しているのであろうか?(上流の貴船神社には、神武天皇と玉依姫の伝承あります)

※賀茂神社の御祭神・賀茂別雷神の誕生譚で、瀬見の小川(賀茂川)を丹塗りの矢が流れてきたとなっているが、その流れてきた元は貴船神社の神域であるとも言われている。乙訓や貴船の地には玉依姫と神武天皇神の伝承が残されているところをみると、伝えたのは加茂氏(賀茂氏)であったのであろう。

(4)、この「丹塗りの矢」の伝承は、下鴨神社・上賀茂神社だけでなく、松尾神社にもあり、また三輪山の大神神社にもある。さらに出雲の佐太神社には、金の弓矢を洞窟に射る伝承が残されている。「丹塗りの矢」伝承は出雲系一族と関係があるのでしょうか?

※丹塗りの矢の正体であるが、『続日本紀』風土記逸文には、「乙訓の社にいます火雷神なり」となっていまる(松尾大社の祭神・大山咋という説もある。大山咋は日吉神社の祭神でもある)。火雷や別雷といった雷神は農業には必要な水をもたらす神として古代農民には崇拝されていて、その信仰を神話にしたのが「賀茂伝説」の始まりであるとされているが・・・。

※大山咋命(おおやまくいのみこと)は神統譜によると、スサノオ命(須佐之男命・素盞鳴尊)の孫、大年神(ニギハヤヒ命・饒速日命)の子とされ、山の神であり土木の知識に優れ開拓による国土建設の神様といわれている。丹塗りの矢に変身し、建玉依比売命(たけたまよりひめのみこと)と結ばれた話にあやかり、縁結びの神としてもあがめられており、各地の日枝神社・日吉神社の祭神となっている(日吉大社の山王祭は、大山咋命と建玉依比売命が結ばれて子供が生まれたことを祝う祭りである)。


スサノヲ(スサノオ)  


Posted by スサノヲ(スサノオ) at 00:00Comments(0)京の民俗学